このReportは私のあいまいな記憶をたどって書いているため、実際とは異なる部分が多々あります。ご了承ください。
間違いや「こんな事も言ってたよ!」などありましたら、お知らせ頂ければ幸いです。


2000年3月21日。今を遡る事19年前の今日、アルバム「A LONGVACATION」がリリースされた。それを記念しナイアガラ記念日と名付けられたその日、ノージさんの呼び掛けにより新宿ロフト・プラス・ワンにて「レココレ&CRT presents...ど〜うなってるの!? 大滝詠一〜2001年ナイアガラの旅」というイベントが行われ、全国各地より濃いナイアガラーが集められナイアガラ2001年問題について語り合う...はずであったが...。

当日は整理券が配られる程の盛況ぶり。NiagaraMLの方にとって頂いた整理券「43」を受け取った後、番号順に並んでの入場。会場では客入れのElvisが流れている。イベントはほぼ定刻のpm7:30頃より始まった。まずは本日のメイン司会、「Niagara Triangle Vol.2」のエプロンをまとった萩原健太氏が登場。続いてレココレ編集長・寺田氏が「A LONGVACATION」のエプロンで登場。レアな「ロンバケ・エプロン」に会場からどよめきが。そして事情通として本日の発起人ノージさんが「NOW PRINTING」と書かれたエプロンで登場。頭には何故か「必勝」のハチマキが!?

ここでゲスト、ナイアガラでも数々のレコーディングに参加しているギタリスト徳武弘文氏が登場。ノージさんの「最近、大滝さんにレコーディングには呼ばれてないのか?」の問いに「ないですねえ」との答。でもなんとなく、くぐもった感じの返答であったのは気のせいであろうか?ナイアガラのレコーディングではアコギで5人くらい、エレキで2〜3人、そしてバリトンギター、という構成になるとの事。信濃町ソニースタジオの駐車場はいっぱいになるらしい。徳武氏の新譜を紹介した後、早速のお宝音源がかかる。これは昨年、やはりCRTのイベントでかかった物と同じインスト物。カントリーロック調のギター、メチャクチャかっこ良い。

徳武さん退席の後、「もし2001年が出る事があればどのような方向に行くのか?」というテーマに。リハビリ・セッションなどから伺えるように「カントリー・ロック」にいくのでは?あるいは自信が提供してきた曲を歌う「セルフ・カバー」などの仮説がたてられた後、健太さん&ノージさんが香港で拾ってきたと言う?何曲かのお宝音源がかかる。中でも受けたのは渡辺満里奈のアルバム「Ring-A-Bell」に収録「金曜日のうそつき」(ノージさん作詞、健太さん作曲)のパロディ。まだブレーク寸前のトータス松本が当時のプロデューサー伊藤銀次氏と師匠によって無理矢理歌わされたパロディ「金曜日のもちつき」(銀次氏&師匠・作詞?)。「きんよ〜びの、も〜ちつ〜きは、次の年までや〜められない〜」と歌われるこの曲に場内爆笑!

ここでアミーゴ!の話題に。NHKで健太さんのラジオ番組収録後に布谷さんのアミーゴ!を100回くらい聴いて腹抱えて笑ってて、その時にホームページを作ろうという話になり、『じゃあ、Ami-Go Gara-geだ』という事になったそうだ。健太さんいわく「ココナツ・ホリディ」でのアミーゴ!は楽しそうなのに、同じ音でも「名月・赤坂マンション」のアミーゴ!は物凄く悲しく、ここにアミーゴの深さがあるらしい。

「ではもう一曲」とかかった曲はジャイアンツの「闘魂こめて」。これのどこがお宝なんだという感じで場内静まりかえる。と思った次の瞬間、通路の方から「おお〜っ!」と歓声が上がる。僕らのいた場所からは何も見えない。何が起きたのか分からないまま「おお〜っ!」という歓声がウェーブのようにこっちに向かってきたところで、ある人物の姿が目に飛び込んできた。一瞬目を疑うが、紛れもない、福生ファイターズのユニフォームを身にまとった、あのお方「大滝詠一」の登場であった!場内はまさかの師匠の登場に大歓声&大拍手!ここ十数年見られなかった動く大滝詠一がここにいる。長島監督が背番号3を見せるのと同じく、師匠も背番号16を見せるパフォーマンスを見事に演じつつ席へ着く。場内は、あらためて大拍手。このハプニングは寺田編集長も知らなかったようで、師匠いわく『敵を欺くには、まず味方から』。さすがにユニフォームがキツイようでここで衣装替えの為、休憩。

黒の革ジャンで再登場の師匠、ここでいきなりナイアガラ・クイズ。「この下に着ている服は何か?」革ジャンを脱ぐと同時にほぼ全員の手があがる。さすが濃いナイアガラーの方々だ。着ていたものはアルバム「Niagara Moon」の裏ジャケットで着用のシャツであった。「カラーで見るのは初めてでしょ。」に皆「うんうん」とうなずく。最初に着ていたのは1975年のリリ−ス時だから既に25年経っている訳だが、綺麗にプレスされたシャツはまるで新品のよう。「オレって物もち良いんだよ。」と師匠。でもさすがにこちらもサイズがあわなくなってきたようでピチピチのシャツになっていて、ボタンをはずしラフに着崩していた。

ここで事前に配られたアンケートに答える形で延々とトークが続く。健太さんが名前を読み上げながらアンケートを紹介すると、質問者一人、一人に挨拶をしてくれるという心やさしい一面を見せてくれる師匠。以下思いつく限りのQ&Aと大滝語録を。

●『(死ぬ時期を)ロイ・オービソンと同じ52を狙ってるんだよ』
●『もし60まで生き長らえることがあればDJ活動を再開させる』
●『Bey FM開局時の試験放送(?)でかけた「Niagara Moon」はリミックスしたんだけど、結局元と同じになった』
●「Welcome to the Niagara」の海賊版が出てるらしいが見分け方は?『自分でも持ってないから分からない』
(観客から説明があり、怪盗ルビイのイの字が大きいか小さいかで見分ける。ジャケットの色味が違う。音も悪い。とのこと)
●「Welcome to the Niagara」は自分でMD編集したものなので音はよくない
●「幸せの結末」では音こそ低くないがフランク永井の歌い方がはいってますよね?という健太さんの質問に
『フランク永井から裕次郎、小林旭といけるのは自分だけだね』
●「ファースト・ナイアガラツアー」のビデオはリリースしないのか?『あれは(出しても)いいんじゃない。(リリース時期は)死後だね』

●セカンド・ナイアガラツアーは?『これがセカンド・ナイアガラツアーなんだよ』
●大滝さんの死後は告別式などどうなるのか?(私の記憶があいまいなのでちょっと違うかも)と
 女性が涙ぐみながらの質問に『あなたにおまかせします』
●福生から引っ越さないのか?『そんな事考えた事もなかったね』
●風待茶房の対談に行ったら(松本隆さんに)忘れてたと言われた。『お互い年とって忘れっぽくなってる』
●「実年行進曲」の黒盤はないのか?『ないです。売れなかったから初回分しかプレスしてない』
●『今日のためにあらためてEACH TIMEを聴いたけど全然良く無い。ロンバケも全然。』ミュージシャンとしてもっと良い物が作れる自信の表れか?
●『口伝の手法は、ロックにあってる。レコーディングではまずミュージシャン一人、一人と面談をする。
 でも共通の認識があるから言いたい事をわかってくれるけど、共通の認識が無い人に伝えようたってムリ』
●渋谷陽一の番組に出た時に後ろでかかっていた未発表カラオケは出ないのか?
 『結局メロディが作れなかった。それぞれが好きなメロディで歌えば、それこそが「あなたが歌うナイアガラ音頭」だよ』
●『ロンバケ〜EACH TIMEの頃は(世に出ていないけれども)ホントにたくさん曲を作った。でも良い曲があんまりなかった。』
●ナイアガラ・エンタープライズは人材募集をしていないのか?『一緒に沈没させては悪いので一人でやってる』
●『ダブル・オーRecordを設立した時に3年経ったらヤメようとは言っていたのだが、最後あのような形になってしまった』
●メールなどでの返信が早いが、いつ寝てるのか?『寝て無い。体がもうもたないという風になるまで寝ない。』
●『日本ポップス伝は(書籍化はしない)。まだまだ青くてあんなもんじゃダメ。何度も改訂しながら今後もやっていく』
●『でも(日本ポップス伝は)タダでやってるのに、間違いなど厳しく指摘されるとメゲる』

私の名前が呼ばれ手を上げると、皆さんと同じように、こっちを見て挨拶していただく。心なしかニコッと微笑まれたような気がした私は只のミーハー状態であった。なかなか質問が思い浮かばなかったが、とりあえず書いた「A LONGVACATIONの原画が市場に出回ってるそうですが、そんな事ってあるのですか?」との質問に「CBS(ソニー)と永井(博)さんが版権を持っているので分からない」と答えて頂いた。健太さんが「この人はalongvacation.comというドメインまでとられたそうですよ」と言うと「買おうかな、それ」と嬉しいリアクションもあった。本気なら喜んで献上したいところである。

ナイアガラーによって持ち込まれた数々のレア・アイテムも紹介された。
●コロンビア時代の(反対がチャカ・カーン)のビニール・レコ袋が登場。現物ではなくコピーでの持ち込みに『本物のコレクターだね』。
●オリジナルで作ったナイアガラ・ロゴ入りミニうちわに感心。こちらは師匠に奉納。
●携帯電話の待ち受け画面をアルバム「大滝詠一」のイラストにしてるもの。さらに着信音は「幸せな結末」。
 和音での着信音は見事。師匠も感心された様子。

師匠登場後は一曲も曲がかけられる事なく、延々とトークショーが繰り広げられた。最後の質問コーナーではまるで記者会見のよう。終了した時には既に12時を回っていた。

その後、余韻に浸りつつオフ会状態に。大滝さん、健太さん、ノージさん、他スタッフはスタッフ・ルームで打ち上げされてる模様。午前4時、そろそろお店も閉店という頃、健太さん、ノージさんが再登場。ここで大滝さんから燃やしてしまえと言われたステッカーをノージさんがせっかくだからとプレゼント!貰った人、各自で燃やしてねと、10枚のステッカーを巡りジャンケン大会が行われ、無事ゲット!する事ができた。Oo Recordとあるのでそんなに古いものではないようだが、ヤケて黄色くなったところが哀愁を感じさせる、レアな一品である。
そして再度、大滝師匠の登場!なんとステージから降り、我々、観客の方に歩み寄ってきて、一人一人と握手を交わしはじめた!なんとも感動的なシーン。ノージさんから来年も集まろう!と約束がかわされ、師匠からの『また会いましょう』との意味深な言葉を最後にナイアガラ記念日は幕を閉じた。皆さん、また来年お会いしましょう!




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