#05 イスタンブール ドラマ「東京ラブ・シネマ」の前半のストーリーでは、トルコ映画が重要なファクターでした。そんな話筋に沿って陰に日向に、第1回から第6回の放送まで欠かさず流れていたエスニックな音楽がありました。 劇中のサウンドトラックの音楽傾向とは違うそのインストゥルメンタルが気になっていた私でしたが、その後、「えびボクサー」にストーリーがシフトしたためか、謎のエスニック音楽は第7回のドラマでは流れずじまいに。 俄然、気になって仕方がなくなった私は、フジテレビに電話でお問い合わせ。(^^) 而してその回答のうちウラの取れた内容は…。 「曲名はイスタンブール、大滝さんが劇伴音楽用に制作し、提供されたもの」とのことでした。 その後の調べで、謎の曲は、1953年にフォア・ラッズ(THE FOUR LADS)が歌い、ビルボードチャート10位に入った「Istanbul」という曲であることが突き止められました。 日本では、柳沢真一が翌年に歌いヒットしたのだそうです。 時を経て1977年には、あのムーンライダーズが、鈴木慶一、かしぶち哲郎による日本語の歌詞をのせてカバーしていました。訳題は「イスタンブール・マンボ」とし、彼らのアルバムのタイトル曲に抜擢(?)していたのです。 大滝さんが、フォア・ラッズ、ムーンライダーズどちらのバージョンになじみがあったのかは分かりません。が、ドラマ・スタッフから、トルコ映画がストーリーに絡むと知らされるや、音楽の引き出しをさっと開け、忙しい最中に豪華ミュージシャンを集めて劇伴音楽を録音してしまうのは、さすがです。 ところで、「イスタンブール」をブッ飛ばしてしまった「えびボクサー」ですけど、ドラマ初期にさりげなくかかったアリスの「チャンピオン」って、この「えびボクサー」にひっかけて選曲したんでしょうか(笑)。 「東京ラブ・シネマ」の音楽、あらためて聴き返すと新たな発見があるかもしれません…。 |
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