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#007 「夢で逢えたら」からの「あなただけ I LOVE YOU」そして「君は天然色」 「夢で逢えたら」から「あなただけ I LOVE YOU 」、そして「君は天然色」に至る一本の道筋を辿ってみても、それが実感できます。 永遠の名曲「夢で逢えたら」の歌い出しのサビの後で聴かれる、 ♪あなたは私から遠く離れているけど~
「今も僕 枕をかかえて 眠っています もしも 夢で逢えたら ともあいまって、なんだかジーンと来ます。
「♪急ぎ足 なぜかしら ~ 声はずませいつもの場所へ 」 のAメロ、そして、 「心は先に IN THE AIR ~ あの角曲がれば 」 辺りのBメロまで、コード進行が「 FOOLISH LITTLE GIRL 」から引用されているわけです。この曲は、女性ライターのヘレン・ミラーの手による作品です。キャロル・キング同様、「コード中の一音が徐々に上がる(下がる)」作曲手法であるところの『クリシェ』を印象的に使う作曲家です。 「あなただけ I LOVE YOU 」のサビに目をやると、ゲイリー・ルイス&プレイボーイズのナンバー「Sugar Coated Candy Love 」から引かれているようです。 / A / Aaug / Bm onA / Bm E / A / というコード進行で、構成音がミ→ファ→#ファと上がっていくところが、疑似クリシェ的といえます。 「Sugar Coated Candy Love 」は彼らの後期の未CD化アルバム「Rhythm of the Rain / Hayride」(1969年)の中の1曲です。
しかし、実際のところ、「涙のクラウン」を聴いて、「君は天然色」にどこか似ている、という感想を持たれる人は多いようです。クリシェ的コード展開の相似性にそれを感じるのかもしれません。大滝さんからすれば、ピクシーズ・スリーのヒット曲「コールド・コールド・ウィンター」の方こそが「君は天然色」のルーツソングだ、という気持ちだったのでしょう。 ご存知のとおり、「君は天然色」はもともと、「あなただけ I LOVE YOU」につづく須藤薫さんへの提供曲の第2弾として作られた楽曲でした。この経緯からすれば、「あなただけ I LOVE YOU」と「君は天然色」の両曲について、「ゲイリー・ルイス&プレイボーイズのクリシェ的な響きが印象的な曲つながり」みたいなものが、大滝さんの無意識下にあったのではないか、という気もします。 だって、「君は天然色」のBメロで聴かれるところの上昇旋律、 ♪今夢まくらに君と会う~ のところなんて、やっぱり、「コールド・コールド・ウィンター」というより「涙のクラウン」なんですもの。 |
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