フィル・コリンズ
YOU'LL BE IN MY HEART
1999年のディズニー映画「ターザン」のために、あのフィル・コリンズ自身が書き下ろしたのが、名曲「YOU'LL BE IN MY HEART 」です。キャッチーなサビのメロディと重厚なストリングス、低音から高音までバランスよく詰まったサウンドで、音壁サウンド・ファンを魅了してくれます。
フィル・コリンズは2008年に「趣味に没頭したい」と表舞台からの引退表明をしたものの、2010年にモータウン・サウンドの名作25曲をカバーしたアルバム「Going Back」で復帰。12年ぶりに全英1位を獲得しました。このアルバムの中ではロネッツの「Do I Love You ?」を素敵な音壁サウンドでカヴァーして歌っています。
ブライアン・ウィルソン
KISS THE GIRL
アルバム「IN THE KEY OF DISNEY」収録
2011年のブライアン・ウィルソンの新譜は「In the Key of Disney」という、ディズニー映画の音楽をカヴァーした作品でした。ウィルソン一家は昔から毎年ディズニーランドに通っていたのだそうで、当時の心を持ち続けたまま大人になったブライアンが、このアルバムではディズニーの名曲たちを「ブライアン流のサウンド」に料理して、面白く聞かせてくれます。中でも映画「リトル・マーメイド」の挿入歌「KISS THE GIRL 」のカヴァーは、ナイアガラーやスペクター・ファンが親しみを感じる、キャッチーなサウンドの逸品です。
音の厚みや組み上げ方うんぬんはさて置き、カスタネットの鳴らし方一つをとっても、その道のマニアが聴けば、スペクター・サウンドのスピリットを引き継いでいるのが伝わってくるものであり、ニンマリすること請け合いなわけです。
エルヴィス・コステロ
THE OTHER SIDE OF SUMMER
1991年のエルヴィス・コステロのアルバム、「Mighty Like a Rose」に先行して出たシングル曲「もうひとつの夏」(The Other Side Of Summer )は、彼いわく「ビーチ・ボーイズのパロディ」なんだそうです。事実、ビーチ・ボーイズ風のコーラスにポール・マッカートニーの風味を足したような、極上のポップス・センスが楽しめる曲に仕上がっています。そこには、ブライアン・ウィルソン経由のスペクター・マインドが感じられるのです。「ミッキーマウス・マーチ」がモチーフになった旋律も登場したりして、遊び心満点で童心に返らせてくれるような曲といえるでしょう。
エルヴィス・コステロは1991年当時、スペクターのレコーディング・セッションの常連ミュージシャン、いわゆるレッキング・クルーのメインだったラリー・ネクテルを従え、コンサートで来日しました。その彼はビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ」のレコーディング・メンバーでもありました。