多保孝一氏は1982年の生まれで、Superflyの一員としてデビュー、その後Superfly専属の作編曲家に転じます。「Oh My Precious Time」と「やさしい気持ちで」は、'60sのフレーバーがたっぷり感じられる名曲でした。その後は他アーティストへの曲提供も開始。月9ドラマの主題歌になった本作で多保氏は、1960年代前半のレトロ・ポップスの音を求めてヘフナーのベースを使い、1966年製のギター・アンプも調達。アナログ感を出すためにマスターには、STUDERのテープレコーダーを大滝さんのように使用するこだわりぶり。大所帯の管弦隊と世界的奏者・朝川朋之氏のハープも加わり、キラキラとした'60sガールズ・ポップ・サウンドが完成、現代にヒットが放たれました。
シリア・ポールのアルバム「夢で逢えたら」で同じ試みをした大滝さんは自らの挑戦を振り返り、「当時は酷評されまったく売れなかった、まだ時代が追いついてなかった」との自戒の弁を後に語りました。
しかし、1981年の「ロングバケイション」、1982年の「風立ちぬ」を境に日本の歌謡シーンでは、'60sのアメリカン・ポップスのサウンドをまとったオリジナル曲とアイドル歌手とが多くパッケージされるようになったものです。
●chay「あなたに恋をしてみました(ショートバージョン)」
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